MOT体験記① Why ダブルメジャー(工学博士&ビジネススクール)?

社会人大学院体験記
著者紹介:Nekoace(猫壱), PhD, MoT 電機→素材と転職をまたいで一貫して新規事業畑。モットーは「組織で唯一無二のポジションを取り続ける」&「社内政治を科学する」。社会人博士で培った専門性を使った技術コンサルと、新規事業プロマネが得意。学位取得をきっかけにSNSでの情報発信を開始。 【経歴】 修士(理学) ⇒ 電機メーカーにて研究職10年(在籍中に工学博士と技術経営修士をダブルスクールし取得) ⇒ 素材メーカーにて開発職(Now!!)
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こんにちは、Nekoaceです。

わたしは、大企業で企業研究者として働きながら会社派遣の制度を使い社会人博士課程に進学し、週に1-2日ほど業務時間を使って博士としての研究を行っていました。 また同時期に、土日と夜間の時間帯を使ってビジネススクールに進学。いずれの大学院も既定の年次で卒業しました。いわゆるダブルスクールです。 今回の記事では、なぜ工学博士とビジネススクールをいずれも取得しようとと思ったのか、そのあたりを書いていきます。 今回の記事のポイントはこちら
  • 社会人大学院に興味を持っている皆さん
  • ダブルスクールに興味を持っている学生さん
  • 周りと一風違ったキャリアを歩みたい方
に対して、実際に会った事例を提供すること!

ダブルメジャーって何???

世の中に博士号を持っている方は、大学教員はじめたくさんいらっしゃいます。 また、MBAに代表されるビジネススクールに進学される方もたびたび目にします。 それでは、博士とビジネススクールをどちらも修了している、また同時に進学される方はどれほどいるのでしょうか。 Nekoaceは、社会人として、国内大学で工学博士とビジネススクール(MOT)の進学を同時に行い、既定の年次で卒業しましたが、さすがにそのようなキャリアを歩んでいる方は周囲にもほとんどいませんでした。 *MOTというものはマネジメント オブ テクノロジーの訳でMBAに近い学問と思ってください。 ダブルメジャーというのは、HRペディアによると
「ダブルメジャー」(double major)とは、大学で複数の異なる専攻分野を同時に主専攻(メジャー)として学ぶこと、および、そうした学び方を可能にする教育制度を言います。日本語では「二重専攻」「複数専攻」などと呼ばれます。by HRペディア
とのことです。 この場合のダブルメジャーは ”同時に” 履修することになりますが、二回学位をとる、ということであれば稀にいるようです。 海外だと例えばマイクロソフトCEOのサティヤ・ナデラは理学修士とMBA(経営学修士)を持っていますし、Alphabetのスンダー・ピチャイCEOは材料工学の修士とMBAを持っています。 実質的に、同時に二つの学位を専攻する必要はないと思いますので、ここでは、 二つの学位を持っていること(同時履修に限らない)をダブルメジャーとして扱います。 私は学歴としては、理学修士、工学博士、MOT(技術経営専門職学位)ということになります。 専門職学位は日本独自の制度ですが、実質的には修士号とほぼ同一だと思っているので、人に名乗るときには、工学博士 x MOT と名乗ります。 だからダブルメジャーです。

ダブルメジャーの価値は?

そんなダブルメジャーですが、価値がどこにあるのか。 何か一つの分野の専門家になるならば、博士をとれば十分すぎるくらいだと思います。 その分野の専門家と名乗ることが出来ますし、その分野のお仕事で生きていくことが出来るでしょう。 ですが、例えば、起業したいとか、新規事業やりたいとき。 それらの仕事は、 技術だけを知っていればいいというわけでなく、 またビジネスの企画だけできればいいわけではありません。 技術を知り、社会実装の方法を知り、ビジネスを作り、顧客に届け、宣伝してビジネスを大きくしていくのです。 その時には、技術もいるし、MBAで学ぶようなビジネスの知識も必須です。 そんな時、二つの分野をしっかり学ぶということはとても重要なことだと思います。

なぜダブルメジャーに進もうと思ったか

私が社会人大学院(工学博士、MOTどちらも)に進んだ経緯は、別で書いています。
\博士体験記はこちら!/
\MOTに進んだ経緯はこちら!/
ここでは、ダブルメジャーの価値について。 私は、学生時代から今まで、「ディープテックの分野で自分で事業を作りたい」ということがキャリア形成の軸になっています。 その分野が材料加工であり、3Dプリンタであるわけですが、会社に入って最初に感じたことは、事業を作るとうことは、並み外れた努力が必要だ、ということです。 折しも、私が新卒で入社した時は、中韓のモノづくり企業の脅威が語られ始めていた時です。 日本企業ととそれら企業との差は大きくは意思決定の速度にあると言われてきました。 そして、頼みの科学競争力の低下(日本だけ論文数が減り続けている)も現実となっていました。 企業の中で新しい事業を起こそうと日々もがくうちに、 こうした基礎研究力の不足と意思決定の遅さは随所で感じるようになってきました。 そうした環境の中でどうしたら自分が成功できるのか、ということを考えていった結果、 技術もビジネスも両方分かる人間になる必要がある、 と思ったんです。 自分で技術的な強みを作り参入障壁とし、ビジネスも自分で行うことで誰よりも早く事業展開が可能ではないかと。 だから、会社の中で一生懸命ビジネスしていくことに加えて、アカデミックに学んでいくことも必要。 じゃあ、大学院に行こう。 だから、技術を学びに社会人博士に、ビジネスを学びにMOTに、ということです。

目指す姿は?

昨今「リカレント教育」普及の流れの中で社会人大学院への進学が増えています。 企業研究者は博士課程に進むし、MBAなどビジネススクールも人気ですね。 私は、自分が目指すキャリア像を以下のようなイメージで持っていました。 横軸に、自然科学⇔社会科学ととります。ざっくりは理系職⇔文系職と読み替えても良いです。 縦軸には、企業での仕事と大学での学びを対比させます。 工学博士で基礎的な研究を行い、それを会社に持ち帰って、社会実装に向けたプロセス開発/生産をする。そして、事業化に向けてどうしても必要なマーケや企画といった仕事を会社で並行して行い、ビジネススクールでその基礎を学ぶ。 というサイクルを一人で完結することを目指しました。
二軸図イメージ
当初は博士の進学が先に決まったので、博士卒業してからMBA取りに行けばいいかと思っていましたが、波に乗っているうちにどちらも一緒に取る羽目になりましたがそのあたりは次の記事で話します。

まとめ

ダブルメジャーは、かなり希少価値も高いし効果も感じています。 目指される方が増えるといいなぁと思っています。 この場では書けない話もありますので、ご興味ある方はツイッターからDM頂ければ出来る範囲で答えますので。 それでは今日はこの辺で。 Nekoaceは社内起業が専門ですが、そのために必要な社内政治と合わせてノウハウを詰め込んだnoteを書いています。ご興味ある方は無料部分だけでもどうぞ。 Nekoaceが社会人やりながら博士(工学)、専門職(技術経営、MOT)卒業した大学も有料で公開しています。ご興味ある方はあわせてどうぞ。
Nekoace
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