研究職が年収1000万に到達するためのロードマップ【博士持ち技術者が全力解説】

転職とお金
著者紹介:Nekoace(猫壱), PhD, MoT
電機→素材と転職をまたいで一貫して新規事業畑。 モットーは「組織で唯一無二のポジションを取り続ける」&「社内政治を科学する」。 社会人博士で培った専門性を使った技術コンサルと、新規事業プロマネが得意。学位取得をきっかけにSNSでの情報発信を開始。
【経歴】 修士(理学) ⇒ 電機メーカーにて研究職10年(在籍中に工学博士と技術経営修士をダブルスクールし取得) ⇒ 素材メーカーにて開発職(Now!!)

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今回の記事のポイントはこちら

  • 技術的専門で一生食っていきたいと心に誓った研究職の皆様
  • 博士号を持っており、企業/アカデミアで活躍されている皆様
  • 博士号を取得予定であり、就職を控えた皆様
を主なフォーカスとして、年収1000万円に到達するまでのノウハウを解説したものです。
こんにちは、Nekoaceです。
この記事では、企業で働く研究職の方々が、高年収の目安である年収1000万円に到達するまでの方法について解説しています。
はからずも、今回「ロードマップ」といういかにもブログ売れ線なタイトルになりましたが、いつものようにNekoaceの独自の視点を取り入れながら出来るだけお役に立つような記事を心掛けております。
本稿は研究職向けと銘打ってはいますけれども、Nekoaceのバックボーンも有り、博士持ち研究職の話題が多くなっています。ただ、もちろん修士や学士、高専卒の方でも専門分野にこだわりがあるのならば当てはまるところの多い記事となっていると思いますので是非是非眺めてみてください。
では、どうぞ。

研究職が年収1000万に到達するためのロードマップって、何?

皆様、「研究職の年収」についてどのようなイメージをもっているでしょうか???
大企業ほど恵まれてるイメージありますかね?
Nekoaceは社会人博士として働きながら大学に通い、何とか論文を通し博士になった訳ですが、特に会社の中で研究職として評価されるということも特にはありませんでした。
アカデミア、主に大学に勤務し研究を仕事にしている方の話を聞くと、その給与面での厳しさは想像を絶します。
他方で海外に目をやると博士というものは尊敬の対象で、当然高年収が約束されるという話を聞きます。
では、それだけの年収面でのばらつきが何故出てしまうのでしょうか?
 
詳しくは下で解説していきますが、こと日本に置いて、その原因は研究職ひいては博士としての専門スキルを活かした職に就いていないこと。そして、年収を上げるならアカデミアより圧倒的に民間、ということが普及してないからと思うに至っています。
勿論、業界の中にいる方はそうした実情ご存じと思いますが、やはりより広くに伝えることも大事だろうということでこの記事を書いているということです。

博士持ち研究職が年収1000万に到達するには?

最初に言いたいことをギュッとまとめた大事な図を載せておきます。

はかの

博士持ち研究職が年収1000万円に到達するためには以下三種いずれかに大別されると思っています。

「地頭ビジネスに地頭で勝負するチャレンジャー」:これは博士がどこまで関係あるのか分かりません。いわゆるD卒で外資系コンサルに入って活躍されるパターン。有名なのは哲学博士の山口周さんとかですね(著書)。これ、もちろん論理的思考力とか博士で培った能力が使えるとは思います。思いますけども、そもそも頭良くて頑張れる人が成功している可能性と切り離せませんので実際には博士の能力をどれだけ活かしているかはちょっと疑問が残ります。少なくとも再現性は低いのでないかと思います。博士なら誰でもこのルートを辿れるわけではおそらく無い。
実際には、博士民→コンサルは一つのルートになっているので、飛び込んでみるのもいいとは思います。専門のスクール(ストラテジーブートキャンプ)もありますし。自信があるならいいかも。

「業界に選ばれし博士民」:やはり高年収を取りやすい業種というものはあります。例えば、製薬、IT、半導体。メーカーに属する方ならこれら分野の景気の良さは良く耳にすることでしょう。当然年収も高いです。そしてこうした会社は必然的にグローバルな感覚を持っているので博士の待遇も海外企業に準じるところがあります。ある意味入社して生き残りさえすれば高年収は約束されていますが、これは博士の専門取得時にここまで見通しておく、もしくは何らかの方法でそうした情報を得て置く必要があります。これも、すでに博士入学していてこれら分野と遠い研究内容になっている場合にはここに入っていくのは難しいのでしょう。この辺りピンとこない方は、ひとまず業界地図くらいは頭に入れといてください。世の中の流れを知ることは高年収を望む博士にとっては必須事項です。

「マッチング探求するジョブホッパー」:Nekoaceが言いたいのはココです。言ってしまうと上の①と②は才能や環境、運に恵まれなければ成功できないのです。もっと世の中にはびこるNekoace含めた取れる分野で博士を取った凡人博士が高年収を得るにはどうするか。そのためには、自分にしかない博士取得した狭く深い研究スキルドンピシャ活かせる会社に所属して高評価を得て高年収を得るケース。これが出来たら素晴らしいじゃないですか!

Nekoaceは、運もありますが、転職することで、自分の研究分野とドンピシャの仕事に巡り合うことが出来て、博士時代に使用していたものと全く同じ装置を使用し、同じ実験をし、自分で書いた論文を引用しながら毎日仕事をしてそこそこ高年収を頂いている。そんな幸福度高い人生やってますので、この経験を誰かに役立てて頂きたいのです!

 

何故1000万を目標にするのか?

周り見まわしての印象ですが、1000万円というと都内都心部在住でなんとか生活できるレベル、

もしくは東京近郊三県で一馬力で多少は余裕ある暮らしが出来る、程度の水準、

かつ、技術者が就職する可能性の高いメーカー界隈で現実的に狙えるラインということであり、語呂の良さもありますが、目標とするにはちょうどいい線と考えています。

かくいうNekoaceも転職によって、この水準に近い額頂いておりまして、一馬力(妻が専業)ですが、多少は余裕ある暮らしが出来ていると思います。

逆に、都心在住で余裕を持つとなると、2000万円位は必要かもしれませんし、そうなると、本稿で狙っているところからさらに戦略的にキャリアを積む必要があるかもしれませんね。

お金以外の目標を持つ場合は?

また、研究職の方の場合は、おそらく行動原理がお金だけではない場合も多いかも。

科学に貢献したいという欲求が多少なりともあるはずだと思っているので、そういう方は1000万円あればまず十分と感じるのでないかと感じています。

例えば、

会社でアカデミアよりも十分な給料をもらいながら好きな研究を続けられる、

会社でアカデミアよりも十分な給料をもらいながら海外転勤して研究者人生を謳歌する、

会社でアカデミアでは出来ない事業化プロジェクトを担当して自分の研究を世の中に広める、

このどれかにワクワクする方は、メーカー就職向いているのではないかと思います。

そして自分の専門活かして社内で評価される仕事をしましょう!

 

博士持ち技術者が年収1000万円に到達している割合は?

年収1000万円というと、一般的には高給取りのイメージですが、その水準に達する方はどの程度いるかも見ときましょう。

この辺りは色々とレポートも出ていますが、以下レポートによると概ね10%程度でしょうか。

【日本は薄給?】「博士号」を取った人の平均年収と海外の取得者を比較して解説 | 年収 | ファイナンシャルフィールド (financial-field.com)

 

また、学士/修士と比べると生涯年収は高くなるという話もあります。

博士の年収&生涯賃金は高い?給料事情を学士/修士と比較 – 博士情報エンジン note (phd-engine.net)

それでも海外に比べると少ないとは言わざるを得ませんね。

博士は金銭的に不利であるという俗説

博士課程というと、一般的には金銭的には不利という声がまだ大きいと感じています。この原因は二つあると思っていて、

1つは、博士課程在学時点での苦学生ぶりが目立つこと。多少改善の傾向が見られるとは言え、金銭的に優遇される学振取得者にしても、年額20万円程度の生活費がお給金相当になりますね。これは都内在住となるとかなり厳しい水準で、地方在住としても余裕があるとは言えないのでしょう。

2つには、会社の中で、博士号取得者の金銭的な利点が見えずらい点にあると思います。実際にメーカーの中にいると、博士卒は順当に出世しているように思うのですが、特に博士だから、高いポジションで採用されるわけでもないし、何か手当てがあるわけでもないし、やはり不利に見えますね。

国内でこのような状況でも、海外では確実に博士の方が期待値も高いですし、高年収も間違いありません。この原因はどこにあるのでしょうか?

日本で博士の年収が上がらない理由

端的に、日本の博士はの年収が上がらないのは、修士卒の学生と同様、卒業後の進路に大企業を選んでしまうことが原因であると考えています。

博士というと特定分野の専門性に優れた人材と見るのが正しいと思いますが、日系大企業に入社してしまうと、普通に配属ガチャもありますし、せっかくの研究能力が活かせていないケースが散見されます。これは海外の感覚からすると異常であって、だからこそ、必ずしも博士=優秀というイメージが根付かない原因であると考えています。

世間では、博士は社交性にかけるとか、プライドが高いからとか言う意見も聞きますが、違います。専門とマッチしていないことが博士が評価されない最も重要なポイントと思います。

この辺り、やはり自分の専門を生かせる会社に入社することが肝要です。

合わせて、別記事で書きましたが、学生時代から企業との共同研究を行い、そのままその会社に入社するパターンなどは、専門性を活かした就職に例になるので、博士のキャリア戦略(運の方が大きいでしょうが)としては幸運に恵まれたものと考えられます。

博士持ち研究職が年収1000万に到達するロードマップ

まずはロードマップ、載せますね。

  

学生さん/すでに働かれている方/脱アカ希望者、いずれにしても最初の会社でよほどマッチングに恵まれない限りは、転職前提とすべきです。

 

以下いくつか挙げていきます。

博士の場合、専門性とマッチングすることが年収増加には必須です。自分の狭く深い専門性と産業の伸びがマッチしているところを長い時間をかけて見つけ出す。そんな作業が博士が高年収を得るためには必須なことだと思います。

決して一社目の就職で定年まで生きていこうと考えるべきではない。

企業というものは時を経るにつれて必ずその業態が変わります。そんな時に、自分の専門領域の仕事が会社の中に残る保証があるでしょうか?

会社都合でスキルと仕事のマッチングが崩れるのだから、我々も仕事で会社を選ぶべきです。

と考えるとやはり、博士の転職はタイミングが大事になってきます。

少し前に読んだ本で元PwCの山下良輔さんが書かれた本が大変参考になるので貼っておきます。この方工業高校出身なのですが、自分のスキルと市場価値を的確にとらえて長期で転職活動を実施、最終的に当初から希望していた総コンに入社を果たしてやはり年収1000万円に乗せています。

転職が僕らを助けてくれる

”転職が僕らを助けてくれる 山下良輔 著”

では、博士持ち技術者が高年収となるまでの方法について、以下の所でもう少し詳しく見ていきましょう。

自分の深く狭い専門性を認識する

あなたの専門性はどんな分野のどんなスキルか自信を持って言えますか?

工学部なら、電気/電子/機械の区分けから、さらにどんなデバイスのどんな構造に詳しいのか?それが世の中でどんなニーズがあって、自分と同じ専門の博士が年間何人いるのか?まで掘り下げたいです。

会社の規模感、産業に応じて、博士人材がどれくらいいるのかは別で記事も書いているので参考にしてください。主観が入りますが、悪くない線だと思います。

 

専門分野で今伸びている分野、今後来そうな分野をリサーチする

自分の専門分野で次に伸びる分野が何か、世の中の動向を良く見て考えてください。

実は、自分の分野において、博士の皆様は次に産業化されるものについて一番有利な立場にいるはずです。

科学技術は、まず大学など研究機関で論文という形で世の中に出ます。

次に、論文の結果を見て大学/企業がこぞって技術開発し特許という形で世に出ます。

これが次に企業が製品という形で世の中に出すのです。

 

この最初の論文の動向について最も詳しい博士の皆様は、業界で次に伸びる製品分野の予測が立つはずなのです。

この時に気を付けなければいけないのは、研究が流行っている分野が産業の興味から伸びているのか、科学的興味から伸びているのか見分けること。この辺り、会社で働いた経験が無い場合は判断が難しいかもしれません。

そんな時、可能であれば同じ分野で企業の中で開発している方とつながって直接伺うのが一番確実です。守秘義務の範囲の事項は答えてくれませんが、彼らも学生さんの質問には出来るだけ答えたいはずですから、できれば何人か捕まえて聞きましょう。こういう時にもN数は大事です。

もし直接聞くのが難しければ企業の方がどんなテーマで学会発表しているかリサーチしてみましょう。学会の中には、大学しか発表しない分野もありますが、企業と大学が半数程度で発表する応用的な学会も存在します。そういった学会を見つけて、せめて発表予定者のリストだけでも眺めて企業の方が多く発表している分野を見つけるのです。これだけでも進路選択の助けになるはずです。

 

自分の専門性を維持する

会社に入ると、どうしても専門と異なる分野の仕事をしなければいけないことも多いです(というかほとんどのケースがそうなります)。

しかし、そんな中でも自分の強みは何とか維持したいです…

そのために心掛けるべきは、

論文を読む機会を作る。そして業務に少しでも関係ある文献は社内で流して、論文を定期的に読んでいる人と認識されましょう。すると、一見業務外の文献調査を就業時間にしていても社内に一応共有しているので文句は言われません。

学会発表は定期的に行う。学会発表についての向き合い方は部署によりけりです。頻繁に行うところや学会委員なども積極的に引き受けるところもあります。そうした活動は出来るだけ引き受けた方が良いでしょう。アカデミアと関われる貴重なチャンスです。また、もしアカデミックな活動がしづらい雰囲気であるならば、せめて学会参加は継続的にしたいもの。続けていれば誰かが見てくれているものです。きっと発表のチャンスも訪れます。

何らかのアウトプットの機会を作る。自分で勉強しているだけだとなかなか続きません。学生時代は学会発表が一つの区切りになっていた側面、誰しもあると思います。そうした時はなんらか発表する機会を作るのがいいと思います。何を隠そう、Nekoaceがこのブログを開始した理由にはそのあたりもありますので。

SNS参加も忘れずに。Nekoaceは、アカデミアとの接点を残すためにもGoogle ScholarResesarchGateのアップデートは欠かさずに行っています。ここ経由で自分のアカデミアの業績が今どれだけ引用されてるかのチェックにもなります。もう一つ、LinkedInも積極的に参加しましょう。これはビジネス向けのSNSですが、英語できちんと書いておくと思わぬオファーが舞い込んできたりしますので、必須です。

 

ビジネススキルのキャッチアップを測る

アカデミアに強みを持つ方はここは大変力を入れるべきですね。上でも書きましたが、博士が評価されづらい理由にはアカデミア特有の仕事の進め方が会社での働き方と必ずしも合わない面が多少はあると思います。例えば、会社だと、MacやTexは使いませんし、基本チーム作業になる(大きな会社だと100人プロジェクトとかありますからね)ので、一人で研究するのとは大違いです。

特にTexなんかは会社の中で使っている方を見たことがありませんし、Nekoaceもすべての英語論文(もちろん査読付き!)はWordで書いています。会社に入ってから一切使わないアプリ習得に時間をかけてもしょうがないです。参考書もありますのでWordで書くことをお勧めします。

当然エクセルも同様です。アカデミアだとついつい専門ソフトを使いたくなります(Mathematicaとか、NGraphとか)けれども、エクセルで数値計算出来るならその方が良いと思います。会社の中ではそちらが標準ですから。こちらも参考書を置いておきます。

あとは、せっかくならマネジメント経験。アカデミアってマネジメント経験積むには結構いい環境ですからね?30歳手前で部下(学生)が何人もつくなんて会社じゃなかなかありません。会社内で円滑に仕事を回す、出来れば数人チームを率いる職務(いわゆるプロジェクトリーダー)は積極的に経験を積んだ方が良いと思います。アカデミアでも企業でも活躍できる人間と周囲から認識されることは何をするにしても大変重要ですから。

もう一つ大事なのが英語、特にスピーキング力
アカデミアの方って、論文書くのでライティング出来る方沢山いるんですが、ビジネスで必要なスピーキングできる方少ないです。言ってる意味わかりますか?
自分の専門分野だけ流暢に意思疎通できても仕方ありません。ビジネスなので雑談レベルからきちんとスピーキングできないといけません!これはもう話すしかないので、おススメはオンライン英会話です。とりあえず レアジョブ英会話 とかで無料体験やってるので、始めて見てください。Nekoaceは大体必要だと思った時に1カ月辞めて→休会して、を繰り返してます。いつも時間とれるわけじゃないですからね。

 

常に求人を探す

今、会社に所属していて、自分の専門を活かせていないと思うなら、転職活動とは言いませんが外部へのアンテナは常に張りましょう。

具体的には、狙いの企業を決めておき求人情報を探し続けることと、転職サイトに登録続けることです。

ここまでに書いた内容で、自分の専門が活きる企業をリストアップしておきます。学会で探した近い研究をしている会社がどこか、産業化できるタイミングはいつ頃か、その会社の雇用条件は自分が求めるものと合うのか。今時、会社の中の情報はWeb上にいくらでも転がっています。OpenWorkなんかみると年代別の年収推移まで閲覧可能。こうした情報は直近転職予定が無くとも取り続けてください。また最近は年収診断(ミイダス)できるところも増えてきていますので、定期的に試してみてください。すぐできることは即トライの精神大事です。

転職サイトというと、OpenWorkもそうですが、LinkedInビズリーチは必須です。何も今転職する必要はありません。登録だけしておいて定期的にアップデートするだけであちらから勝手に求人情報が送られてくるのですからたまにログインしてちらちら見ればいいだけです。現にNekoaceもビズリーチ経由で考えもしなかった企業の面接も受けていますし、良い会社から内定も頂けました。登録しておかない手はありません。

 

 

Nekoaceの事例

そんなNekoaceですが、実際に転職活動で大幅に年収が上がった経緯があります。

企業には年齢別での年収レンジがあります。いまだに日系の多くの会社は年功序列であり、特に若いうちは年収にはほとんど差がつかない場合もありますが、年齢が上がるにつれ役職に就けるかどうかで、その年収差は開いていく傾向にあるようです。

企業ごとの年収レンジは会社が出す公的な文書には記載されないのですが、口コミサイト、例えばOpenworkなどの情報を参考にすればある程度の予測は可能です。

以下図は私が新卒入社した最初の会社(1社目)と転職した後の会社(2社目)、日本でトップクラスの年収レンジを誇るある有名自動車メーカーの年代別での給与レンジをまとめたものです。給与レンジの算定は口コミサイトと知り合い経由でのヒアリングから算定しています。いずれの企業もおおよそN=10程度でレンジは1σだと思ってください。

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この図からわかる通り、いずれの会社も年齢の上昇とともに、平均年収が上昇している様子が分かります。また、いずれの会社でもざっくり±20%のレンジがあるようです。トップ企業を例に出すと、40歳時点で±約20%以上レンジが開いています。平均年収800万円ならば、人により640~960万円まで差があるということです。

 

転職前後での、Nekoaceの年収と上記レンジの中での位置を示します。私は30代前半で転職しましたが、結局一社目では平均年収程度の年収しかもらえませんでした。この会社では、部署評価と個人評価でおおよそ評価が決まります。そしてこの評価は基本給、賞与いずれにも反映されます。私の場合、周囲と比べるとそこそこ評価されていたとは思うのですが、部署評価が芳しくなく、総じてはおおよそ平均程度となっていたようです。ちなみに、この会社在職時に社会人博士取得しています。

一方、二社目では、私の博士での専門性とマッチする業務への転職となりましたので、非常に評価されました。当該分野での博士課程取得者がおそらく日本中探しても50名程度しかいないかというニッチな領域(同年代だと数人でしょう)にフィットしました。そのため2社目の会社が出せるギリギリまで評価してもらったようです。レンジ比較しても上限ギリギリまで頂けることになりました。

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私の場合、転職により、博士の実績が評価され、年収としても大きく上げることができました。この要因は、博士で取得した専門性をもとに、転職活動を通して評価してもらえる会社を探索し、マッチするところが見つかったという点に尽きると考えています。

 

おススメの転職サイト
本ブログの読者の方には何度も書いていますが、年収1000万であれば求人数もそこまで少なくありませんのでまずビズリーチ登録しておけば十分です。これで一旦1000万近いところ頂いて、心に余裕が出来たところでそれからのことを考えましょう。

他にも情報源を得たいのならビズリーチと異なるタイプの求人情報が得られるアカリク。アカデミア特化してるので博士持ちならより良いところを紹介してもらえるかもしれません。

他には例えば外資系特化ならロバートウォルターズなどでしょうか。このあたりはまたどこかでレポートを書きますね。

 

博士を取ると年収は上がるのか?

さて、まとめです。
それでは、博士号が年収にどの程度寄与すると考えるのが妥当でしょうか。博士はある意味では、特定領域における目に見えるスキルです。一つの会社の中にいる限りは、スキルを可視化する必要性がそれほどはありません。しかし、目に見えるスキルがあれば、転職活動において、よりフィットする(今の場合は高評価を受ける)会社を探索することが可能になるのではないでしょうか。

私の周囲の他の博士号取得者も、転職により年収を上げていっている方は多くいます。そしてそうした方はいずれも博士の専門性を活かして活躍しています。こうした事例から、博士取得により、企業における年収レンジの中で高評価を得ることは十分に可能であると考えます。

半ば無理やり金額換算すると、例えば、20代であれば数十万円程度、30代前半であれば100万円以上年収を押し上げる効果があるのではないかと考えますがいかがでしょうか。

 

博士号を使って年収増加を果たしたより具体的な事例紹介

は、個人情報含んだ形で公開しますので、いつものようにnoteで有料公開させていただきます。

(2024/5/1追記)
やっと準備が整いましたので公開いたします。Nekoaceが実際に博士取得した分野とどういうプロセスでテーマ選定に至ったか、細かく書いています。社会人博士の方、企業就職を控えた博士学生の方にとって有益な情報となるように詰め込みましたので是非ごらんください。


最後に1冊だけ、Nekoaceが多大な影響を受けている本を紹介しておきます。

オススメの本!
これ、知ってます?社会-技術-科学をつないで100年後まで予測した天才経営者が日本にいたんです。
オムロン創業者の立石一真。科学はビジネスに繋がる、つまり社会で使われてなんぼです。研究者の方にこそぜひ読んでほしい。読んで感動した人はたぶん会社で働くの向いてます!
専門活かして企業ではたらこ。

                SINIC
Nekoace

それではまた。

 

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