MOT体験記② 社会人ダブルメジャーが可能な条件について(入学の経緯も合わせて)

社会人大学院体験記
著者紹介:Nekoace(猫壱), PhD, MoT 電機→素材と転職をまたいで一貫して新規事業畑。モットーは「組織で唯一無二のポジションを取り続ける」&「社内政治を科学する」。社会人博士で培った専門性を使った技術コンサルと、新規事業プロマネが得意。学位取得をきっかけにSNSでの情報発信を開始。 【経歴】 修士(理学) ⇒ 電機メーカーにて研究職10年(在籍中に工学博士と技術経営修士をダブルスクールし取得) ⇒ 素材メーカーにて開発職(Now!!)
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こんにちは、Nekoaceです。

今回は、ダブルメジャー進学を決めたときのことを振り返りながら、馴染みが少ないと思われるダブルメジャーを実現するために必要なことについて残していきますね! 今回の記事のポイントはこちら
  • 社会人大学院に興味を持っている皆さん
  • ダブルスクールに興味を持っている学生さん
  • 周りと一風違ったキャリアを歩みたい方
に事例提供することです!

ダブルメジャーとは?

学生時代、自分の周りに2つの学校に同時に通っている、もしくは2つの学位を同時取得している方はいましたか? 多くはないと思いますが、私が新卒入社した会社の同期には工学修士とデザインの学校に同時に通って卒業した方がいました。 また、高校の友人には2つの博士課程に同時に通うというクレイジーな方がいます。 これらは、立派なダブルメジャーです。 他にも、大学と専門学校に同時に行く方などが、ごくまれにいらっしゃるかもしれません。 このダブルスクール、実は海外では割とメジャーなようです。 こちらの記事によると、アメリカではダブルメジャーは、(比較的?)一般的な制度のようです。 schoo.jp 日本でも、広がってはいるとのことですが、まだまだ一般的とは言えません。 前回の記事では、Nekoaceが工学博士とのダブルメジャーを志した理由について書きましたが、 今日は、ダブルメジャーをやりきるために必要なことについて書いていきます。 よろしければどうぞ。

体験談:ダブルメジャーとの出会い

Nekoaceが社会人博士に進学して、仕事と学業との並行生活が始まった頃です。 当時は、通常業務に加えて博士の仕事が入ってきて毎日てんやわんやでしたが充実した日々を過ごしていました。 そんなある日、大学内の掲示板で、私が所属している大学には、 博士学生が同時にビジネススクールに通う同時履修プログラム(ダブルメジャープログラム)がある ことを知りました。 以前記事にも書きましたが、私は自分のビジネスを作るという大きな目的があって、そのためには博士の他にビジネスの学びも必要だと思っていました。 そんな私にとってこの同時履修プログラムはとても魅力的だったんです。。。 だけど現実的に考えて、この制度はフルタイム学生が主な対象のはずです。 社会人のダブルメジャーは、そもそも対象なのか、制度的に可能だとしても生活が破綻するんじゃないか、と・・・ ところが、プログラムの申込締切はあと1ヶ月に迫っています。 しょうが無いので、 とりあえず願書出すことにしました(笑) すぐに、教務で願書をもらって書き始めました。 ちなみにこのときに1つ覚悟していたのは、他にチャレンジしている何かに支障をきたすようならビジネススクールに入学できたとしても退学しようと決めたことです。 社会人博士の方は会社派遣ですから辞められるわけがない。 家族の健康を害すならチャレンジしてはいけない。 体を壊す人がいるならばそれは自分であるべきだ、ということです。 ということで、本音では体を壊したくはないので、まずは色んな人に聞き取り調査をはじめました。

体験談:ヒアリングの日々

まずは、妻に相談です。 妻は、これ以上忙しくなることにはじめは難色を示していましたが、家事育児に迷惑をかけるようなら退学する、代わりに有給と空き時間をつぎ込んで家事育児に時間をかける、またもし退学することになったら学費は今後数年間小遣いを減らし続けて返済する旨約束して最後にはうんと言ってくれました。 次には、博士課程の指導教員に相談しました。 すると、周囲で社会人ダブルメジャーは聞いたことがないけど、やってみたらいいんじゃないか、と言ってもらえました。もしかしたら面白がってくれていたのかもしれません。マジで最高の恩師です。 次には、私の会社の知り合いの人事の方に相談しました。 もしかしたら社員の中でビジネススクール履修者のリストをもってるんじゃないかと思ったからです。結果的に、リストはありませんでしたが、社員に私が志望しているビジネススクール(MOT)の修了生がいると教えていただき、またさらにその方に、大学で社会人ダブルメジャーをまさしく実践している方を紹介してもらえました! わらしべ長者的に目的の方にたどり着くことができたのです!

体験談:社会人ダブルメジャーの決断

紹介してもらった社会人ダブルメジャーを実践している方には、速攻でアポを取ってお会いしました。 そこでは、ダブルメジャーの辛さから、おすすめのゼミまで教えてもらい、最後には、「そこまで考えてるなら行ったほうがいいよ」と言ってもらい、気持ちが固まりました。 ダブルメジャー、やります! そこからは、プログラムに沿って試験を受けて入学しました。このプログラ厶の試験は、ダブルメジャー特有のプロセスで、実質的に面接だけでしたので、詳細割愛しますが、大学側はウエルカム、という感じでした。 社会人が本当にダブルスクールに割く時間を取れるのかだけは、何度も確認されましたが。

社会人ダブルメジャーを実現できる条件について

さて、そんなこんなで実現できたダブルメジャーですが、入試の過程とその後の学生期間含めて、ダブルメジャーの実現に必要だと思うことをまとめていきます。 実体験からですが以下の5つの全てを満たすくらいでないと破綻します。 1.周囲のサポート:家族 配偶者やお子さんがいらっしゃるのであれば、家族のサポートは絶対に無いといけません。ただでさえ子育ては不確実性が大きい大事な仕事です。出来れば周囲に育児サポートなどしてもらえる環境があると心強いです。 2.周囲のサポート:指導教員 指導教員がどんな方かはすごく重要です。自分の業績を大事にする方であれば(極論みんなそうですけど、程度問題として。)、学生には博士の仕事に集中してもらいたいはず。私の場合は社会人の指導経験がある教員で、ビジネスの重要さをすごく理解されてる方でしたので実現できました。この辺り、普段どのように指導教員とコミュニケーションをとっているかも重要です。ぜひ良好な関係を築いておいて下さい。 3.周囲のサポート:同僚 同僚というと一言ですが、これは全方位的なので様々な方が関わります。会社の同僚に迷惑をかける可能性があるならばもちろん良好な関係を築いておくべきです。2つある大学の同僚も同様です。多忙な状況ですとどうしても単位取得のため協力を得る必要があります。特に困ったときに助け合える同期の存在は貴重ですね。 4.進学先の選択 次に重要なのが、どの大学を選ぶかです。私は1つの大学でダブルメジャー出来るところを選びました。これがやはり良いのではないかと思います。教員の方々に理解があるので色々と説明の手間が省けますし、2つのメジャーで共有できる単位もあるかもしれません。異なる大学で進学してしまうと、説明コストもバカになりません。これももちろん無理ではないので、大学とはよく相談してください。 5.覚悟 最後にこれをあげます。個人的には、これが最も重要です。社会人ダブルメジャーというのは、そもそもが無茶です。だから毎日が綱渡り。 ここで必要なのは、仮に誰かのサポートがなくなってもやりきること。 会社と折り合いがつかなくなったら退職してでも修了する。 大学と折り合いがつかなくなったら、片方は休学する、もしくは1つ卒業した後に入りなおすとか。 最悪、学費は親戚に借金してでも払えるようにしておくとか。 どんな状況に陥っても、なんとしてでも卒業する。そのために、考えられるベストを尽くす。そんな覚悟が必要だと思います。 以上、いかがでしたでしょうか。 社会人ダブルメジャーを志す方がどれだけいるか分かりませんが、何かの参考になれば幸いです。 それではまた。 おまけ:本稿で書けなかった大学名と使った制度を以下有料記事内で解説しています。ご興味ある方はあわせてどうぞ。
nekoace
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