社会人博士体験記⑦ 費用はいくら?論文は何本出すの?数字で振り返る社会人博士

社会人大学院体験記
著者紹介:Nekoace(猫壱), PhD, MoT
電機→素材と転職をまたいで一貫して新規事業畑。モットーは「組織で唯一無二のポジションを取り続ける」&「社内政治を科学する」。社会人博士で培った専門性を使った技術コンサルと、新規事業プロマネが得意。学位取得をきっかけにSNSでの情報発信を開始。
【経歴】
修士(理学)
⇒ 電機メーカーにて研究職10年(在籍中に工学博士と技術経営修士をダブルスクールし取得)
⇒ 素材メーカーにて開発職(Now!!)

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こんにちはNekoaceです。

Nekoaceは、企業研究者として働きながら会社派遣の制度を使い社会人博士課程に進学しました。派遣が決まるまでには7年かかりましたが、無事入学できました。

今回は、博士課程に所属している間に行っていたことを数字でまとめていきます。

今回の記事のポイントはこちら

  • 「社会人博士課程に興味がある方」「サラリーマンでももっとハードワークできるぞ!と感じている方」に対してケースを提供すること
  • 社会人博士って何本くらい論文を読むの?書くの?
  • 博士論文はどんな構成なの?

といった疑問に答えます!

はじめに

世の中に博士課程の体験記は多数出回っていますけれども、社会人博士になるとちょっと数が減るような気がします。

さらに最近はCS(コンピュータサイエンス)系の体験記が多くて、ディープテック(材料とか工学とかバイオとか、フィジカル系)だとさらに数が減る気がしていて、私自身、諸先輩方の体験記は結構時間を掛けて探した記憶があります。

ということで、レッドオーシャン気味な社会人博士体験記においても、私の経験を書く意味はあると自分に言い聞かせ、社会人博士としてどんな生活をしていたのか残します。

Nekoaceについてもう一度

まず、私のスペックから。

  • 年齢/性別:入学時で30歳、男性
  • 家族:既婚。入学時で3歳の子供一人。その後D3の時に二人目が生まれる。妻は働いてません。
  • 場所:職場は神奈川、大学は東京、家は東京の西の端っことか神奈川の西の方とか。都心よりはちょっと田舎が好きです。
  • 仕事:日系の大手電機メーカー。専門は材料加工。これまでやってきた仕事は、材料加工のエンジニア(実際に実験する人)、熱とかのシミュレーション、あとはプロジェクトリーダーとか企画とか。希望すればなんでもやらせてくれる会社なので、その時々で必要だと思ってきたことなんでも。
  • 大学:入社前の最初の修士は関東の地方国立大学。理学修士。その後、社会人学生として都内の某国立大学で工学博士と技術経営修士を取る。

そんな感じかなあ。趣味とか書いても仕方ないですし。

オススメの本!
博士進学をお勧めしているNekoaceですが、どうしても辛い時期はあるものです。そんな時に大変なのは自分だけじゃない、と現実を知るために良い本と思うのがこちら「博論日記」。フランスで人文系の話ですが、博士の苦しみは万国共通。大変なのはみんな一緒。だから成長できるんです。               博論日記

 

学生の期間は?

社会人博士としては、

2018年に博士課程入学、規定通り三年で卒業しました。

経営学修士(MOT)の方は、

2019年に入学、こちらも気手通り2年で卒業しました。博士入学の半年後に入学して、博士卒業の半年前に卒業した感じです。

修士論文と博士論文一つずつ書きましたが、半年ずつ納期がずれたのはすごくよかったです。

以下すべて博士の話です。ビジネススクール(経営学修士)の話はまた今度。

費用はいくら?

お金の話から行きましょうか。
博士進学に要した費用です。

まず、Nekoaceは社会人かつ社費ですから、学費は基本的には0円です。
また国立大学ですので、自分で支払ったとしたら年間53万円*3年+入学金で170万円程度であったと思います。

その他経費としてですが、社会人はどうしても時間がありませんので、休日に出勤する必要も出てきます。そうした場合、流石に会社に申請は出来なかったので自腹の交通費は出しました。それと自分で必要だと思う教科書代とか、諸々雑費で年間10-20万円程度と思います。

社会人博士取得した大学の卒業要件

査読付きの英語論文2報

もしくは

英語論文1報+査読付きの国際学会発表2報

です。

出来れば、前者の論文2報が望ましいようです。

社会人博士入学前の研究経験は?

学会発表3報のみ。論文執筆経験は無し。

最初の修士の時に国内の学会で発表。

あとは会社入ってから海外での発表を2回。うち1回は指導教員との研究がベースになっていて、博士論文にも入れた業績です。

入学の二年前に指導教員と初めて会っていて、たまーに情報交換していました。

社会人博士在学中に講義は何単位取ったの?

全部で24単位取りました。

私が行った大学は社会人向けの講義が幾つかありました。それらはフルで使いました。

3年間でこれだけなので、学部とか修士に比べると大分少ないですね。

社会人博士在学中のゼミの頻度は?

毎月1回です。

普通のフルタイムの学生は毎週ゼミしてましたが、研究室の方針で博士はそんなに頻度高くないです。

社会人博士在学中に論文何本読んだのか?

3年間+前後の研究期間で大体700本くらいだと思われます。博士の間に落とした論文ファイル数えたらそれ位でした。

自分で興味ある分野の論文をたくさん読みますが、

それ以外にも自分で論文書いたり学会発表する時に先行文献調査の目的で読んだり、

あとは、研究室の学生や会社で興味あるメンバーと論文の輪読会などで数が溜まっていった感じです。

社会人博士在学中に学会発表は何回したの?頻度は?

博士論文に関連するところでは、国際学会3報と国内学会1報です。

国際学会は入学前に1報、D2で1報、D3で1報。

どれもアメリカ開催の業界最大の国際学会です。国内はD3で1報です。

フルタイムの博士からすると少ないかもしれませんが、社会人としてはこんなもんかと。

私の場合、卒業したかったので(切実)学会出す時間があるなら論文書くスタンスでした。

論文発表は何報?時期は?

博士論文に関連するところでは、査読付き論文2報です。

D1で1報。とあとは、D3の卒業時期に投稿中のものが1報ありました。これは博士卒業後に無事受理されたので、この数です。

博士論文の分量は?いつ頃から書き始めたのか?

博士論文は日本語で100ページくらいですね。

それまでに出していた学会発表や論文の成果を入れ込んで100ページの本にまとめていくイメージです。

卒業が9月だったのですが、

半年前の3月ごろから書き始めて7月くらいに提出しました。

その後、査読の先生方に指摘されたところを直して最終的に8月ごろに提出しました。

まとめ

いかがでしたか。参考になりますでしょうか。

今回は博士の話のみでした。ビジネススクールの話はまた今度書きます。

それでは、今日はこの辺で。

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