電機→素材と転職をまたいで一貫して新規事業畑。モットーは「組織で唯一無二のポジションを取り続ける」&「社内政治を科学する」。社会人博士で培った専門性を使った技術コンサルと、新規事業プロマネが得意。学位取得をきっかけにSNSでの情報発信を開始。
【経歴】
修士(理学)
⇒ 電機メーカーにて研究職10年(在籍中に工学博士と技術経営修士をダブルスクールし取得)
⇒ 素材メーカーにて開発職(Now!!)
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今回の記事のポイントはこちら
- 技術職で専門分野に関する詳しい教科書が欲しい時どうすればいいの?
- 博士の世界を覗いてみたいんだけど・・・
- これから大学院、研究職を目指しているんだけど、情報収集したい!
といったニーズに答えます!
専門分野で教科書を探すのって結構大変
こんにちは、Nekoaceです。
皆さん最近教科書買ってますか?
いまや大抵の知りたいことはChatGPTが懇切親切に教えてくれる時代ですが、専門的になればなるほど良い教科書に出会う確率は低くなっていくのは今も昔も変わりませんね。母数が少なくなっていくので当たり前ですが。
この辺り、実はPhDホルダー(博士号取得者)だけが知る教科書というものがありまして今日はその辺の話です。
「博士論文」こそが最高の教科書である
さて、早速回答ですけども、、、今日紹介するのは
「博士論文を教科書として使うこと」
です。
これ、PhDの方は頷いてくれてると思うんですけども、結構有用な話だと思うので解説していきますね。
まず「博士論文」って、博士課程の学生さんが学位取得のために必要で皆さん書くのですけども、結構な分量になります。
Nekoaceは工学部で博士とりましたけども、周り見ても大体100-150ページくらいです。論文なので、その100ページ強の中に、技術背景から現在の課題、今後の展望を書いて、課題解決に向けた知見を一つずつ(大体1章ずつ)記述していくものです。
執筆者は、自分が普段行っている研究の集大成としてこれを書くので、時に引用する文献は1,000を超えてきたりするわけです。
それだけ包括的に調査した結果を一つの本としてまとめたものが博士論文なわけで、一つの技術に関して調査/研究した本としては、数多ある専門書の中で最も内容豊富である可能性が高いのです。
*参考までにNekoaceの博士論文の構成メモしておきます。
-背景部分:30ページ程度
-技術全体の背景(理論他):10ページ程度
-特定技術の研究成果 × 5つ:それぞれ10ページ、合計50ページ程度
-技術全体のまとめ:10ページ程度
で合計100ページ程度
「博士論文」の取得方法
Nekoaceもですが、会社であまり馴染みのない分野の技術開発を始めるときには、Webサーチはやり切るのですが、次には博士論文を探します。
上記通り、技術の全体動向から割としっかり書かれているので、まとまった知識を得やすいです(学生さんがほぼ独力で書いているので内容を疑ってかかることは勿論必要なのですが)。あとはうまくやれば日本語文献が手に入るのもいいですね。
で、そんな有用な博士論文、意外と取得できるものです。ここでは3つ方法を紹介します。
1)Web公開している文献を探す
まず、大学の方針で博士論文本文をWeb公開しているところが結構あります。
これは、技術の キーワード+博士論文 とかでググると時たま出てきて全文落とせたりします。海外なら キーワード+PhD とか、PhDthesis とか入れると出てきます。
2)知り合いにもらう
もしその研究分野で博士号取った方とかが知り合いにいるのなら(もしくは学会等で探せるのなら)、直接メール入れてみると送ってくれるかもしれません。
博士論文は基本的には公開するものなのでほしいと言えば応じてくれる方が多いです。
ResearchGateなどアカデミア向けのSNSもあるのでそういったところから探してもいいかもしれませんね。
3)図書館に探しに行く
博士論文って基本的には書籍としてみなされるようで、国会図書館に行くとかなりの確立で寄贈されています。
国会図書館は国会議事堂の隣にありまして、えらい重厚な建物ですが申請すればだれでも入れて文献のコピーができます(残念ながらハードコピーだけ)。ただ最近はこのルールも緩和されているようで寄贈しない方も増えているようです。
後、国会図書館まで行かなくてもその博士さんが所属している大学の図書館にも寄贈されているかもしれませんので確認してみるといいかもです。
博士論文って本当に教科書として使えるの?
と思われる方多いと思いますので一回試してみてください。キーワード+博士論文 で検索です!
企業で技術開発してるとニッチな技術も扱っていて、そういうのの教科書探すの大変なんですよね。
専門が良く分からないからどのタイトルの本買えばいいか分からないし(外れることもあるし)、そもそもタイトルもぼやけてたりする。またそういうのって数式の説明がたくさんあったりするのですが、本当は欲しいのってそれじゃなくて世の中でどう使われているかとか全体像とかそういうの。
博士論文も著者の好みでピンキリですが、とくに背景部分で他の技術との比較表とかをちゃんと作っている人もいますので、探せばいいのがあると思います。(少なくともNekoaceは企業で使いやすいようにまとめたつもりですね…)
実際に僕はダウンロードした博士論文が英語含めて50件くらいあってたまに振り返っています。特に図とかは使えるの良くある。
最後に
博士論文って意外と使えるんだよ!というのが今日の一番大事なとこですね。キーワード+博士論文 で検索です。
今は海外のモノでも簡単に翻訳できるしいいですね。
是非うまい教科書を探して皆さんのお仕事が加速できますように!
それでは。
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