社会人博士体験記② 文化系研究職が企業派遣を勝ち取るために心がけたこと

社会人大学院体験記
著者紹介:Nekoace(猫壱), PhD, MoT
電機→素材と転職をまたいで一貫して新規事業畑。 モットーは「組織で唯一無二のポジションを取り続ける」&「社内政治を科学する」。 社会人博士で培った専門性を使った技術コンサルと、新規事業プロマネが得意。学位取得をきっかけにSNSでの情報発信を開始。
【経歴】 修士(理学) ⇒ 電機メーカーにて研究職10年(在籍中に工学博士と技術経営修士をダブルスクールし取得) ⇒ 素材メーカーにて開発職(Now!!)X
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いつも応援ありがとうございます。Nekoaceです。
今回は、前回の続き。

入社1~3年目。
社会人博士進学を目指し必死に周囲の評価を高めようともがいていた時期に考えていたことです。 新卒入社した会社で当初設計部門に配属になりました。が、希望していたのは研究職、もしくは新規事業開発。
望から離れた部署配属で大変落胆したことを覚えています。

それでも、将来の博士取得を念頭に置いており、必要なのは何よりも業務実績と考えて目の前の設計の仕事は全力で取り組んでいましたが同時に当時の部署における ”如何に目立つか” というアピールを欠かしませんでした。今回はそんな時の行動記録です。

今回の記事のポイントはこちら

  • 「社会人博士課程に興味がある方」「サラリーマンでももっとハードワークできるぞ!と感じている方」に対してケースを提供すること
  • 社会人博士入学は許可を得るまでが大変!まずは、目の前の仕事で認められることと、上司に気に入られる努力が大切!
 

文化系研究職が企業派遣を勝ち取るために心がけたこと

皆さんは初めて配属された組織で意図したものと異なる業務を割り当てられたときにどうしますか?

  • 仕事だからと唯々諾々と従いますか?
  • したい仕事をはっきりと伝えますか?

もし、
自分のキャリアの方向性が決まっていて、そのために会社の力を利用する必要があるのなら、与えられた仕事を99%こなしたうえで、プラスアルファで自分にしかできない仕事をするべきだと思います。

自分の仕事はこなした上で、いかに上司から目をかけてもらうか。 こう書くと体育会で先輩に如何に可愛がられてきたか・・・みたいなことが得意な方だと早い感じになりますが、Nekoaceは文化系男子ですので、そんな愛嬌はありません(悲しいことに)。 Nekoの場合は、どうすれば上司からの覚えめでたくなるか、計算しながらでないと動けないのです。似た境遇の方がいると刺さるんでないかと思ったり。
ということを考えているとX上でちょうど似たような話が出てました。
海外駐在と博士とで話は違いますが、言いたいことは近いです。やりたいことがあるならば、周囲(特に上司)に伝えて、仕事もきっちりする。これに尽きます。
これに理屈で攻めるともう少しプラスアルファがあるかな。そんな話です。
 

仕事始めの手探り感

企業の中で評価され、特別扱いされることを望むなら、まず、周囲よりも目立つ必要があります。つまり、自分の色を出していく必要がある。

ところが、新しい組織に配属された当初から、自分の色を出していく、ということはなかなか難しいです。 なぜなら自分自身が組織のルールになじんでいないために、どうすれば目立って行けるのか塩梅が分かりませんし、上司の側からしてみても、部下のパーソナリティが分からない段階ではどんな仕事を割り振っていいのか分からない。

つまり上司部下いずれも手探りから始まるからです。 とはいえ、時間は有限ですし、できれば一日目から目立ちたい。 言い換えると早い段階でいかに  ”可愛がられるか、覚えられるか” という点に尽きるのです。

”可愛がられる、覚えられる”ために必要なのは

それでは、会社という組織において人間はどんな時にどんなものに良い感情を抱くのでしょうか?

私はそれを、「理解可能なフィールド」で「抜け」と「感嘆」が共存している状態ではないかと思っています。

まず、「理解可能なフィールド」は必須です。
量産部門に配属されたのならば、上司はその分野での責任者ですから「モノづくり」の領域でなければ理解されません。 量産部門にいるのに、経営論の話をしてもぽかん、でしょう。
理解されなければ意味がない。 研究所にいるのならば研究の話、もしくは共通の趣味の話でもいいかもしれませんが。

「抜け」も重要です。 人間だれしも完璧な人には親近感を抱かないものです。 だからこそ、上司に気に入られたい段階であれば、仕事を100点満点でこなしてはいけません。 ちょっとだけ、あえてミスする。ここ、大事なTipsです。
例えば、半年間での目標値があるとして、クリア出来たんですが納期3日過ぎましたごめんなさい!みたいなことですね(もちろんビジネスには影響のない範囲です。逆に大抵の仕事は1%質を落としても企業経営に対してのインパクトはない場合がほとんど)。

が、それだけでもいけません。 やはり細かいところでもいいからとびぬけた何か、つまり「感嘆」させなければいけません。 あなたに文才があるならば、流麗な文章で感嘆させてもよいし、迫力あるプレゼンテーションでスタンディングオベーションを受けてもいい。
重要なのは、上司にできないことを何かひとつ入れ込むことです。

 

新卒入社だと最初数カ月は研修期間かもしれません。志高く持っている方に関してはおそらくこの時期は退屈な時期です。でも、だからこそ、ビジネスの基本のところをこの機にしっかり押さえて、本配属後の飛躍に備えましょう。
そうした方のために本一冊共有しておきます。
社会人一年目「直前」の教科書
この「一年目」系の本結構出てるのですが、これは比較的尖ってて誰でも学ぶところ多いのではないかと思いますので若い方特におススメですのでどうぞ。

もしそこまで尖った話じゃなくていいよ!の場合はもはやこの分野の古典的なこの本
入社1年目の教科書
も読んでみるといいかもしれません(未読の方は。。。)。岩瀬さんのキャリア凄いので皆さん参考になると思いますし、実は重要なことはほとんど古典に書いてあるのです。

私の場合

私の場合、新しもの好きな性格が幸いしてか、新卒時点で配属された設計の部署での仕事は比較的良くこなせたように思います。

問題は、本当にしたい仕事であった新規事業開発にどう関わっていくか、でした。 自分の身の回りで関わりたいことにはどんどん首を突っ込んでいく、ということはしていました(例えば、知り合いの紹介で勉強会参加したり)が、こうしたことは、設計部署での責任範囲から外れるのでなかなか理解されません。 つまり「理解可能なフィールド」から外れているので理解されず “覚えが良くない” わけです。

そこで、当時の上司がそれまで行ってきた仕事を社内文書等を漁りリサーチし、上司が興味のありそうな分野での新規事業案の企画書を書いて月一で送りつける、ということを自主的にしていました。
上司からすると、「理解可能なフィールド」での武勇伝を話したいはずですし、そういった分野に新人が興味を持ったということも嬉しいはず。
こうした活動を通して、新規事業立ち上げへの思いの高さに「感嘆」させたのです。 仕事の「抜け」に関しては、ざっくりとした性格なので自然と「抜け」が出て、意図せず99点の仕事になっていたようですが。。。

こうした活動を2年間続け、企画書のファイルが厚みを持ってきたころに、新規事業提案活動のチームリーダーを拝命しました。 3年目でのチームリーダーでした。 この経験により設計部門にいながら事業立ち上げの世界に少しずつ入っていくことができたように思います。

まとめ

・会社の制度を最大限理解したいなら、まずは、上司にとって “可愛い” 部下になることを目指そう ・そのためには、上司の「理解可能なフィールド」で上司にできない仕事をして「感嘆」させよう ・そして、与えられた仕事は完璧にこなす、のではなく、あえて1%質を下げて「抜け」を演出しよう

Nekoaceは社内起業が専門ですが、そのために必要な社内政治と合わせてノウハウを詰め込んだnoteを書いています。ご興味ある方は無料部分だけでもどうぞ。

社会人やりながら博士(工学)、専門職(技術経営、MOT)卒業した大学も有料で公開しています。ご興味ある方はあわせてどうぞ。

 

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